新婚旅行で九死に一生、そこで得たものは

カテゴリー【旅✖️神様】の記事は、様々な人の旅先で起きた奇跡の瞬間を、旅人独自の表現方法でお伝えしている記事です。この記事を読んで、できるだけ多くの人に同じような奇跡の体験をしていただきたい、そのために様々な場所へ旅に出てもらいたい、その思いで伝えています。

 

6年前の九州&沖縄旅行、あの旅行のおかげで自分の1番好きなものと命の大切さに気づけました。

現在の主人と6年前の正月休みに、新婚旅行で思い切って九州旅行にいった時のことです。
私が行きたかった念願の旅行地でした。

まず、九州の黒川温泉にいこうと福島から東京へ新幹線で向かい、羽田空港から飛行機で九州へ向かいました。九州に降り立ち、レンタカーを借りることになりました。

レンタカーショップの店員さんに

「チェーンつけられますか?黒川温泉に行く途中雪あると思うんで」

と聞かれ、福島県が地元の私達は内心九州なんてあったかいし東北ほど雪は降らないだろうと思い、

「大丈夫です、雪には慣れているんで。チェーンも適当にトランクに積んでおいてください」

と言い放ちレンタカーに乗り込み出発しました。

途中阿蘇の雄大な景色を眺めながら野生の動物を眺めたりして東北に似た自然の豊かさに感激していました。

黒川温泉もあと1時間ほどで着くだろうという時に雪がポソポソと降り始めました。最初は、九州も雪降るんだね~などと話しながら呑気に運転していたのですが、みるみるうちに積雪が東北並みになり峠に入った頃には猛吹雪に!そして積雪も30センチを超え、ノーマルタイヤのレンタカーは積雪で踏み固められたツルツルの路面を前後左右にシュルルル滑りだしました。

ヤバいと本気で思った時には道中4台ほどの普通車全てがJAFを呼んで立往生していたり路肩に突っ込んで車がへこんでしたり、車同士がぶつかり救急車がきているその光景を目の当たりにしてさらに冷や汗をかきました。

運転に自信がなくなった主人は車を停めてチェーンをつけると言い出し作業したのですが、猛吹雪だったのと主人自信あまりチェーンを付けたことがないことが今更判明し、結局ノーマルタイヤで残り4/5ほどの猛吹雪で路面ツルツルの峠道をノーマルタイヤで乗り切るしかないという、地元福島でやったら10人中10人があり得ない!と口を揃えて言うだろう、最悪のコンディションで乗り切らなければならない状況に追い込まれました。

すっかり怖気付いた主人を助手席に乗せ、私が2人分の命を守る!と猛吹雪の中腕まくりをして車に乗り込みいざ運転し始めると、あまりのノーマルタイヤの無力さと峠道&猛吹雪&積雪の恐ろしさに運転免許をとって7年で始めてハンドルを握る手がガタガタと震え出しました。

心臓の音が胸を突き破るほどバクバクどなり、その度にガチガチになった全身がバクバクと震えました。ハンドルとブレーキが全く効かない坂道、風と雪に煽られ右往左往するもはや棺桶状態のレンタカー産まれて始めて全身身震いし、「ここで死ぬかもしれない」と思いました。

そして、隣りで黙り込むもはや役立たずの置物のような主人には目もくれず「絶対乗り切れる、こんなとこで死んでたまるか」と何度も口にしながら頭の中では親や妹など自分にとって最愛の人達をずっと思い浮かべることで、この最悪の絶望状態から少しでも希望を見い出そうと必死でした。

無我夢中で全身ガチガチになりながら通常1時間で抜けられる峠道を4時間半かけて奇跡的に乗り越えた時には、その達成感よりも九死に一生的な神様に救われたような気持ちで冬なのに全身汗でびっしょりでした。

峠を降りてすぐにあったガソリンスタンドでチェーンをつけてもらいながら、峠道での話をするとどうやら福岡と地元福島は年間の平均気温などが大体同じらしく、冬は普通に雪が降るとのことを教えてもらい、私は九州だからといって舐めていた自分達を責め反省しました。

まさか楽しい新婚旅行で九死に一生スペシャルのようなことが起こるとは到底想像もしていなかったので

しかし、この壮絶な峠道の道中私は、本当に頼れる人は旦那ではなく自分ということと、旦那よりも親族の方が自分にとって大切なんだということを身を持って思い知った旅行でした。