18歳で初めてカナダのバンクーバーに短期語学留学で訪れ、たったの5週間ではあったけれど、思った以上に英語も上達しました。
初日にバンクーバーに到着したとき、こんなに美しい都市が地球上に存在するのかと思うほど惚れ込んでしまい、いつかカナダで生活できたらいいなという、大きな夢を持ったのです。
最後の一週間はバンクーバーからカルガリーまでのバスツアーに参加しました。
運命の出会い
バスツアーはバンクーバー出発で、3泊4日のカナディアンロッキーをめぐるバスツアーです。カナダの広大な自然を見てみたいという希望から一人でバスツアーに参加したのですが、周りはほぼ老人中年カップルばかりです。
値段が比較的高いので、若い人は参加しないようでしたが、円高の恩恵で私にとっては非常にリーズナブルなツアーでした。食事もついているツアーでも、一人だと適当な所に入れてもらうことになるのですが、最初のランチで一緒になった中年カナダ人夫婦がすごくよくしてくれて、いつでも一緒に行動してくれました。
完璧でない英語も辛抱強く聞いてくれて寂しい思いをすることもありませんでした。最後のカルガリーでは、私のほうが空港出発の時間が先だったにも関わらず朝食の時間を合わせてくれて、一緒に最後の食事もしてくれた上、トロントに住んでいるから近いうちに遊びに来てくれというではないですか。
素晴らしい思い出を抱えて日本に帰国し、またどうやってカナダに行こうか考えることにしました。
トロントでの再会
また、大学の夏休みにカナダで英語を勉強したいと思っていたので、今度はバンクーバーではなくトロントに行き、このカナダ人夫妻の家にお世話になることにしました。その方が私としてもホームステイの斡旋業者にホームステイ代金を払うより、かなり格安でお世話になることができたからです。
なんとかアルバイトで学費、旅費、生活費をねん出し、トロントで再会することができたのです。
その後在学中は夏休みの度にお世話になり、語学学校に通って英語力をあげていくことができました。
日本で就職
カナダで留学やワーキングホリデーも考えたのですが、とりあえずもっとお金も貯めてしっかりした職歴もつけて、最終的にカナダの大学か院に入学しようと決心しました。就職先は大手の金融で、偶然にもこのカナダ人夫婦のご主人の職業と一緒でしたから、就職が決まったことをすごく喜んでくれてよかったです。
その後も休暇の度にトロントに遊びに行き、親戚の姪のようにかわいがってくれました。トロントに行くたびに、さっさとお金を貯めてカナダに留学しようという希望がどんどん大きくなり、ついに実行するときがきたのです。
トロントに留学
トロントにある大学院に入学が許可され、会社を辞めて生活の地をカナダに移しました。すぐに永住権を持っている日本人女性と知り合い、移民弁護士を紹介してもらい将来的な移住の相談をしたら、日本にいるときに副業で翻訳や通訳をしていた職歴でいますぐ永住権が応募できるというではないですか。
永住権取れれば学費も安くなりますし、就労するときにビザの心配もありません。それならすぐに応募するということで応募したら8か月ほどでとれました。
卒業後の就職
日本で経験のあった金融業界に就職が決まり、お世話になったカナダ人夫婦もものすごく喜んでくれました。
その後はクリスマスや感謝祭などの休日にはいつも呼んでくれて、本当に私のカナダでの家族のようにしてくれたので、寂しい思いをしたことがありません。
私の大学院在学中にご主人のほうは定年退職し、残念なことにその数年後病気で亡くなりました。彼が亡くなった後、私は彼の会社に転職することが決まったのです。
彼の奥さんはもちろん喜んでくれましたが、二人とも生きているときに喜ばせてあげたかったなーと思います。
この二人がいつも温かく見守ってくれたので、ここまで頑張ってこれました。