30代女性にお勧めの旅行先〜奥深さが魅力のプラハ〜

30代になると仕事への責任が重くなるし、後輩の育成を任されるようになって忙しない日々を過ごしていると思いますが、時々息抜きする事も必要です。

頑張った自分へのご褒美として一番良いのは、旅行に行ってその場所の空気に触れる事。

休みの日は家でのんびりするのも良いですが、たまには違う国の文化に接する事も大切です。今回は30代の女性のためのお勧めの旅行先をご紹介します。

おとぎの国と重厚な歴史の両面を併せ持つチェコ共和国のプラハ

30代の女性の旅行先にお勧めの国はチェコ共和国のプラハです。

チェコ共和国は面積が78,866平方キロメートルと比較的小さく、日本の約5分の1の面積です。人口は約1000万人、国民の95.5%がチェコ人でウクライナ人やスロバキア人等少数民族が生活しています。

現地のほとんどの人がチェコ語なので英語よりは会話の内容が聞き取りにくいかもしれませんが、挨拶やちょっとした日常会話に使う言葉はチェックしておいた方が良いかもしれません。

チェコの首都であるプラハは1968年に「プラハの春」の歴史的舞台になった場所としても知られています。1993年チェコ共和国とスロバキア共和国が他の共産主義国のように武力を使わず、平和的な連邦解体に合意し袂を分かつ事にしたのは有名な話ですが、チェコではまだチェコスロバキアだった1918年の10月28日にオーストリア=ハンガリー帝国から独立した時の独立記念日を現在も国祭日としているので、その日に合わせて行くと色々な催しが見られるかもしれません。日本とは1993年にチェコが独立してから国交が始まりましたが、電化製品や自動車の輸出や日系企業の進出、伝統文化の茶道や生け花に加えアニメ、漫画なども知られており、国立大学では日本語学科の開講がされているので、日本人も親しみやすい国だと言えます。

チェコプラハへの行き方とおおよその費用

プラハから日本の往復航空券の価格:4万円台から(LOTポーランド航空予約の場合)

日本航空の直行便で東京羽田空港から約11時間半。到着はプラハ空港。

経由便の場合は成田・羽田空港から約11時間45分、ドイツのミュンヘン経由でプラハ空港まで約50分の計約12時間35分が最もおすすめ。移動時間を多少加算しておくと良いかもしれません。

旅行日数及び旅行日によって大きく異なりますが、宿泊代を含めると1名あたり約20万からの予算となります。現地の宿泊代は1泊で平均7,084円(H.I.Sの調査による)と比較的安く泊まれますが、内装やアクセスの良さを考えると1万円以上のホテルを選ぶ方が便利です。1泊3,000円くらいから40,000円以上のホテルまで揃っていますが、アットホームな施設を好む人もいますので、好みや目的によって選ぶ事をお勧めします。旅行会社で宿泊と往復航空券の予約をするとスムーズです。

 

プラハ市内の心ときめく観光地

歴史が残る美しい街並みが絶賛され世界遺産として登録された旧市街

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プラハの旧市街はロマネスク時代に建設され、聖十字架協会や15世紀末頃の建築物の火薬塔など古き良き時代の雰囲気が残る街並みが美しい事で有名です。この市街は世界遺産として登録されましたが、1232年にヴァ―ツラフ2世が築き上げて以来様々な変遷を経たにも拘らずその美しさに年々磨きがかかり、訪れる人が絶える事がありません。

この市街地の見所は1389年建築の新旧シナゴーグやカレル橋、聖イジー教会 などの建築物が佇む名所なので、ぜひ行ってみる事をお勧めします。どれも絵画のようで、当時へと誘ってくれます。16世紀ルネサンス時代の建築物ミヌティ家のスグラフィート装飾やバロック様式の美術、カレル橋や国立博物、クレメンティヌム修道院のミラー礼拝堂も名所となっていますが、古い建物の一部は新しく建て替えたため以前より趣が変わりました。他には1884年建築の芸術家の家や1911年建築の新市庁舎・市民会館、チェコの象徴ともいえるキュービズムの代表的な建築物「黒い聖母の家」があり、中に博物館と喫茶店があるので一息つきながら当時の建築様式を眺める事が出来ます。

この市街地で多くの有名な作曲家マーラーや作家のカフカ、物理学者のアインシュタインなどの精鋭が彼らの特性を生かし、才能を発揮する事となりました。有名人たちがかつて暮らした家や歴史のページに残る大きな事件が繰り広げられた舞台などが、プラハの町の雰囲気に深みを与えています。

30もの聖像と共に時を重ね民衆の生活を支えたカレル橋

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現在ではカレル橋が観光名所として知られていますが、もう1カ所忘れてはならない橋があります。

カレル橋の近くに架かっていたユディタ橋と言う橋はヴラディスラフ1世が統治していた1158年から1172年に建設工事が行われました。「ユディタ」と言う名前は王妃の名前にちなんでつけられたもの。ユディタ橋は市民の生活に寄り添う大事な橋でしたが、1342年にヴルタヴァ川が氾濫したのが原因で崩壊したためカレル橋を建設する事になりました。聖フランチェスコ教会の入口の左側角の柱部分を見るとユディタ橋の石畳が残っているのがわかります。教会の正門左側にある階段を下りて行くとユディタ橋のアーチがあるのも見られますが、近くに遊覧船乗り場があるのでそのまま船に乗って観光しても良いでしょう。カレル橋の方は1357年カレル4世の統治の下、聖ヴィート大聖堂の建築で有名なペトル・パルレージュの指揮で着工しました。17世紀末に大勢の民衆や貴族、修道院から寄付が集まりカレル橋と同じ場所に聖人像が30建てられました。カレル橋を見る時に聖人像を見ると、バラエティに富んでいて楽しめます。

世界一大きなプラハ城

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お城を見学するのが好きな人はプラハ城のために1日空けておいた方が良いかもしれません。

プラハ城は世界一大きいと言われていて、870年にボジヴォイ1世の統治の下建てられました。ボヘミアの国王がその昔居城としたお城で、現在はチェコ共和国の大統領府があります。敷地内にあるゴシック様式の聖ヴィート大聖堂、中庭、宮殿、美術館などの見事な施設を心行くまで楽しむ時間が必要です。

まず、聖ヴィート大聖堂の中に一歩足を踏み入れると、アール・ヌーヴォーの画家アルフォンス・ムハフォンス・ムハが手掛けたステンドグラスの装飾に目を瞠ります。他の装飾も素晴らしいので、地下はチェコの守護聖人ヴァ―ツラフ、カレル4世など聖人や歴代の皇帝のお墓があるので、見学する事が出来ます。「最後の審判」のモザイク画を堪能してから見晴らしの良い大聖堂の塔に上って、素晴らしいプラハ市街の景色を見渡してみましょう。

プラハ城の城壁に近い路地は黄金小路と呼ばれています。一見すると普通の狭い路地ですが、入っていくと童話の世界のような家が並んでいる可愛らしい小路です。かのルドルフ2世がお抱えの錬金術師をこの小路の家を居住地として与えていたという伝説もあるほど、見逃せない雰囲気の小路です。

黄金小路にはプラハ出身の有名な作家フランツ・カフカが仕事をする時に利用していた22番の表札が出ている家がありますが、お城の中だけでなくその周りも散策コースとして利用すると色々と発見出来るかもしれません。ロマネスク様式の聖イジー教会、ゴシック様式の旧王宮やカレル亭園の温室穂を訪ねる事も出来ます。プラハ城には様々な時代の建築様式がありますが、別々の個性が不思議にまとまっているのがプラハ城の魅力です。プラハ城の中では年間を通して美術展や展覧会などのイベントがあり、ルーベンスなどの作品展も度々開催されているので、名画家の作品を鑑賞したい人は王宮美術館に行ってみる事をお勧めします。

約1000冊の貴重な手書き蔵書が収納されているストラホフ修道院図書館

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プラハにある由緒あるチェコの修道院がストラホフ修道院です。この修道院は国内でも最古で1142年プレモンストーンという男性派によって建てられました。院内には約10万冊以上の蔵書がある図書館があり、印刷が発明される前に修道僧たちが手書きで認めた本が約1000冊以上も収蔵されています。1679年に建設された神学ホールの天井には彫刻やフレスコ画が施され、1797年に建設された哲学ホールにはバロック様式でフレスコ画で装飾されています。当時の修道僧たちの学びの場で彼らの息吹を感じながら、院内の厳粛な雰囲気と壮観な眺めを楽しんで下さい。 チェコ関連の民族文学博物館としても利用出来ます。

プラハ城から歩いて行ける距離でペトシーンの丘の上なので景観を楽しむにはぴったりです。映画の撮影場所としても良く使われていて、数々の映画の場面でその姿が見られるだけあって人気の写真の撮影スポットです。通常は図書館に入る事は出来ませんが、撮影料金を払うと撮影OKです。聖母被昇天の教会にあるパイプオルガンはモーツァルトが1787年にソナタを作曲した時の物なので、一見の価値があります。

プラハ郊外にも行ってみたい!世界中から愛されたカレル・チャペックの記念館

チェコの作家でフランツ・カフカと並んで有名なカレル・チャペックはヨゼフ・チャペックと一緒にチャペック兄弟として活動していた事で知られています。

彼らの作品は日本人にも大変人気がありますが、時間と予算に余裕があればプラハから電車で二時間弱のスタラー・フチという森の中にあるカレルの記念館があるので、寄ってみる事をお勧めします。カレルの作品の中には園芸について書いた「園芸家12カ月」がありますが、1936年から1938年まで愛する妻のオルガと共に花を育て、自然をいつくしんだ屋敷と庭園は当時の面影を残していて風情があります。

プラハをお勧めする理由

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プラハは世界遺産に登録されましたが、市街地の中には建物が老朽化したために維持出来ず、建て替えを余儀なくされた場所があります。

今回お勧めする場所は古くからの良さを残し、現代にも通じる美しい景観を提供していると共に、様々な出来事が起こった町の歴史を繙く楽しさを秘めています。

日本との交流も盛んで、日本の情報は日々現地に伝わっており親交の機会が設けられています。

チェコは観光地となり気軽に行ける場所となりましたが、奥深い国です。多くの才能あふれる芸術家や作家の息吹を感じるこの地に旅行するのをきっかけにして、より良い暮らしが織りなされるでしょう。